よつば乳業(株)HPより

このたび、調査部調査研究事業で、地場産品の製造現場、食品表示等の調査を目的として「よつ葉乳業㈱十勝主管工場」を視察してきましたので報告します。

・日時:令和7年10月28日(火)14:00~15:30
・場所:よつ葉乳業㈱ 十勝主管工場
(音更町新通20丁目3番地)
・案内:船越総務部長

船越総務部長にご説明いただいた十勝主管工場ロビーのまっすぐな道は、よつ葉乳業が酪農家や消費者に対して常に「正直でまっすぐ」であろうとする企業姿勢を表しているとのことでした。
 
創業者がヨーロッパの取組を参考に、生産者が加工販売を手掛ける手法を導入し、北海道協同乳業を設立しました。乳原料は100%北海道産であり、十勝管内の8農協が出資して利益を農家に還元する体制が、酪農家の生活を支える理念の核となっており、半世紀を経て、よつ葉乳業は牛乳やバターなどの乳製品で全国シェアの1/4を誇る総合乳業メーカーへと成長したとのことでした。

ガイダンス室で創業の歴史と酪農家とのつながりを映像で学びました。

酪農を学ぶエリアでは、生乳の集荷時間に間に合うように朝5時頃から搾乳や餌やり、牛舎の掃除などの1日の作業内容を学習しました。
 

牛舎の形態では、従来のつなぎ飼い方式のほか自由に歩き回れる方式もあるようです。また、繋がれた牛も昼間は放牧されているそうです。近年では、乳牛に優しいアニマルウェルフェアの取り組みも進んでいるそうです。牛の飼料となるサイレージは、サイロからバンカーサイロ、ラッピングサイロへと作り方が進化しており、良質な牛乳づくりに繋がっているとのことでした。また、十勝主管工場では、糞尿から出たガスをエネルギーとして活用し環境に配慮した取り組みを行っているとのことです。
 
十勝主管工場は、十勝の中心地という立地を最大限に活用し、地域で生産される生乳の約半分を受け入れており、この工場は、朝搾った生乳がその日のうちに工場に届くという、国内でも非常に恵まれた環境にあるそうです。

工場内では、衛生管理が徹底されており、職員が生産ラインに入る前に行うエアシャワーを体験しました。

バターの生産ラインです。
生産ラインの多くはロボット化されており、1時間で最大3万個の製造が可能だそうです。

となりの牛乳工場に向かう渡り廊下です。廊下の長さで、施設の規模の大きさを感じます。

見学コースには、牧草ロールを模したゲートを通ると「モ~」と牛の鳴き声が響く仕掛けや、「巨人の星」やパッケージに使用された「銀の匙」の原画展示など、親しみやすい演出もありました。

牛乳の生産ラインです。新鮮な原料を最大限に生かすため、殺菌温度は一般的な130℃よりも低い120℃で行い、生乳本来の風味を保持しているそうです。1日の処理量は約240トン(牛乳24万本分)に達するとのことでした。牛乳パックの内部を紫外線で殺菌し、充填機には除菌フィルターを通した清浄な空気を供給するなど、細部まで衛生対策が施されていとのことでした。ロボット化が進んだ生産ラインでは、1時間あたり6,000~9,000パックを製造可能だそうです。また、牛乳と成分調整牛乳の違いや、原材料名は生乳100%のほか(北海道産)の表示を加えていることなどについて学びました。

最後に、牛乳を試飲しながら、牛乳販売参入時のエピソードを伺いました。

1969年(S44年)に牛乳販売に参入した当時、よつ葉には一般的な瓶牛乳の宅配による販売店網がなかったとのことでした。そこで、紙パックによる店頭販売方式を低価格で導入したそうです。当時牛乳価格が上昇していた時期であり、適正価格を推奨していた帯広消費者協会が推薦する形で協力したことも、店頭販売網の確立に貢献したとのことでした。

この連携は、よつ葉乳業が「酪農家とともに歩む」だけでなく、「消費者とともに歩む」企業であることを示し、その後の成長を支えたとのことです。
また、パックも少ない紙で済む三角パックから、強度や輸送の都合で四角いパックが主流になった経緯も学びました。

参加者からは、
・企業の努力と製品へのこだわりを知ることができた。
・酪農家の牛乳にかけるプライドなどを感じました。
・ほかの人にも見学を進めたいと感じました。
など、好評でした。

今回の見学を通して、普段、当たり前のように購入している牛乳が私たちの手元に届くまでに、品質はもとより価格や環境への配慮など酪農家や企業の努力があることを具体的に学ぶことができ、大変有意義な研修でした。